仙台市地下鉄東西線開業にあわせたバス路線再編(案) の資料の読み方(3)

運行便数が間引きされる場所がある

上げるとキリがありませんので、数カ所の例を上げます。
 

蒲の町バス停

  • 大和町経由が通勤・通学時間帯が現在10分間隔が20分間隔に
  • 日中現在15分間隔が60分間隔に

中倉経由の便数は、現在とあまり変わらないようです。

  • 蒲の町バス停から地下鉄東西線卸町駅ができる交差点まで 徒歩1.0km 13分

蒲の町は地下鉄東西線卸町駅から徒歩圏内と言われる外縁に位置し、徒歩での地下鉄駅利用ができることで減便になることは仕方がないことかもしれません。
 

若林区文化センター入口バス停と南小泉四丁目バス停

  • 通勤・通学時間帯が現在10分間隔が15分間隔に
  • 日中現在20分間隔が30分間隔に
  • 若林区文化センター入口バス停から地下鉄東西線薬師堂駅ができる交差点まで 徒歩1.0km 13分
  • 南小泉四丁目バス停から地下鉄南北線河原町駅まで 徒歩 1.8km 23分
  • 南小泉四丁目バス停から地下鉄東西線薬師堂駅まで 徒歩 1.8km 23分

若林区文化センター入口バス停は、地下鉄東西線薬師堂駅から徒歩圏内と言っていい場所ですが、南小泉四丁目バス停は地下鉄東西線も南北線の駅も徒歩1.8km23分かかりますから、減便すると不便になりますし、良いことはあまりありません。良いことは自転車を利用すれば南北線も東西線も利用できるということです。

※各バス停から地下鉄駅入口付近までの距離はGoogleマップで計測し、徒歩所要時間は80メートル1分で計算しています。
 

沖野バス停(若林区役所前経由)

  • 通勤・通学時間帯が現在・再編後60分間隔で同じ
  • 日中現在60分間隔が120分間隔に

沖野バス停は若林・河原町経由であれば仙台駅(都心)直通が残りますので、その点は良いかもしれません。しかし、日中の運行間隔が1時間から倍の2時間間隔に広がることになり、地下鉄の恩恵があまり無い場所としては、扱いが悪いように感じます。
 

なぜ、減便・間引きするのか

仙台市地下鉄東西線の駅に近接しているバス路線の減便は、地下鉄駅に直接徒歩で行く人が多くなり、路線バス利用者が減少する事が考えられますので理解が出来ます。

しかし、地下鉄駅から離れた路線、地下鉄へ利用者を運んで来てくれるバス路線を減便する事は理解が出来ません。
 

仙台市自動車運送事業経営改善計画

仙台市交通局は「仙台市自動車運送事業経営改善計画」というものをつくっています。

仙台市交通局 「仙台市自動車運送事業経営改善計画【改訂版】(平成23年度~平成26年度」を策定しました
https://www.kotsu.city.sendai.jp/kigyo/keiei/bus_kaizen_kaiteiban_sakutei.html

「仙台市自動車運送事業経営改善計画【改訂版】」(PDF)
https://www.kotsu.city.sendai.jp/kigyo/keiei/pdf/bus_kaizenkeikaku_kaiteiban.pdf
 

「仙台市自動車運送事業経営改善計画【改訂版】」の内容

「仙台市自動車運送事業経営改善計画【改訂版】」の中にはこのようなことが書いてあります

「はじめに ...本市では、平成27年度の地下鉄東西線開業を見据え、鉄道を中心とした公共交通体系の構築を目指しており、その中で、市営バス事業には、鉄道を補完する機能を更に充実させるための新たな取り組みが求められています。一方、経営面では、人口減少時代の到来や長引く景気の低迷など、厳しい経営環境が続くことが予測される中で、今後、老朽化が進むバス車両の更新やIC乗車券の導入など、安全で快適なサービスの提供に必要不可欠な設備投資が増加する見込みです。
さらに、東西線開業後には、輸送分担の変化により乗車料収入が大幅に減少するなど、より一層厳しい経営状況となることが見込まれており、このような状況にも対応できるよう、しっかりとした経営基盤を確立していく必要があります。...」
 

地下鉄駅結節バスが減便になると何が起きるか

地下鉄駅結節バスが減便になると、地下鉄駅まで自転車で行く事や自家用車で送迎するというような事が起こる可能性があります。

しかし、自転車利用や自家用車での送迎が増えてくると、地下鉄駅ではなく目的地へ直接向かう人が増加して行き、地下鉄等の公共交通利用者の減少に繋がります。
 

神戸市は、仙台市地下鉄東西線と同様のリニアモーター地下鉄「地下鉄海岸線」の開業後に報告書を作成しています

神戸市高速鉄道海岸線 事後評価報告書 平成19年3月 神戸市交通局
http://www.city.kobe.lg.jp/life/access/transport/subway/kaigannsen/img/houkokusyo.pdf

この報告書の中に、このような文面があります。
「輸送人員の乖離要因(自動車・バスへの転換)
◇自動車分担率の増加
神戸市全体での自動車分担率は、平成2年時点の43.7%から平成12 年においては49.1%ま で上昇した。中でも特に、兵庫区・長田区の海岸線沿線の自動車分担率は大きく上昇している。一般に、新線の利用に関して、バスや他の鉄道路線からの転換に比べて、自動車からの転換は起こりにくい。」

公共交通から公共交通への転換に比べて、自家用車から公共交通への転換は起こりにくい。すなわち、一旦公共交通から離れた人は公共交通をあまり利用しない、と読めます。

仙台市は、市営バス事業の継続のため、経費削減や利用者が少ない路線の再編を検討しているという事はわかります。

しかし、一方で現在の公共交通利用者を切り捨ててしまうという事に繋がる、ということも考えなくてはいけません。
 

《関連ホームページ》

地下鉄東西線開業にあわせたバス路線再編の概要について | 仙台市
https://www.city.sendai.jp/report/2013/1212195_1415.html

仙台市交通局 地下鉄東西線開業にあわせてバス路線が変わります
http://www.kotsu.city.sendai.jp/bus/news/news/saihen.html