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2003年7月3日

地下鉄東西線ルート・薬師堂

(仮称)薬師堂駅予定地・木の下橋

北側から木の下橋

北側から
木の下橋

木の下橋付近・大和町のバス通り

木の下橋東側付近から
仙台市若林区白萩町、大和町1丁目
大和町のバス通り(都市計画道路)狐小路尼寺線・東行き方向、
都心方面・大和町一丁目バス停

木の下橋付近から高砂掘上の歩行者道・若林区役所行き方向

木の下橋南側付近から
仙台市若林区大和町1丁目、木ノ下5丁目
高砂掘上の歩行者道(都市計画道路七郷掘線)・
南、若林区役所行き方向

 

陸奥国分寺薬師堂のある木ノ下地区、JR東北本線貨物線東側の木の下橋付近には地下鉄東西線の(仮称)薬師堂駅が設置される予定になっています。

(仮称)薬師堂駅は若林区役所の最寄駅として、現在は仙台駅前や定禅寺通市役所前、交通局大学病院前まで直通する若林区の宮城の萩大通り以東のバス路線を再編、集約する地下鉄・バス乗り継ぎ駅として(*1)、若林区の中心地区の駅として整備されることになります。

(仮称)薬師堂駅が出来ることによって、(仮称)薬師堂駅予定地のある木ノ下地区や(仮称)薬師堂駅と一体に考えられている若林区役所周辺地区、(仮称)薬師堂駅東側の大和町2丁目交差点付近の公共交通手段や街の構造はどのように変わるのでしょうか。

現在、木ノ下地区や若林区役所周辺地区、大和町2丁目交差点付近から都心・仙台駅前へ公共交通を利用して行く場合、木ノ下地区からはJR仙石線の榴ヶ岡駅まで歩く方法はありますが、一般的には各地区の幹線道路を走っている路線バスを利用することになります。

写真撮影日、2003年7月3日木曜日の朝に、地下鉄開通時には地下鉄・バス乗り継ぎ主体になると思われる霞の目営業所前発大和町、薬師堂聖和学園前、仙台駅前経由、交通局大学病院前行きの路線バスに、霞の目営業所前から仙台駅前まで乗ってみました。

霞の目営業所前バス停で自分1人だけ乗車した路線バスは、自分の時計で定刻の7時53分に発車しました。
以前の霞の目営業所バス停である遠見塚東バス停では1人乗車して発車、霞目交差点を右折して渋滞する国道4号線仙台バイパスを北上して行きます。
蒲の町歩道橋そばの交差点を左折して都市計画道路狐小路尼寺線・大和町のバス通りへ入り蒲の町歩道橋前バス停に到着します。地下鉄東西線の(仮称)卸町駅予定地に近い蒲の町歩道橋前バス停では10人程度が乗車し7時59分に発車、大和町の各バス停では10人程度の乗車が続きます。
大和町二丁目NTT東北病院入口バス停は8時3分に発車、宮城の萩大通りとの交差点である大和町2丁目交差点を通り(仮称)薬師堂駅予定地に近い大和町一丁目バス停へ、大和町一丁目バス停は8時5分、薬師堂聖和学園前バス停は8時7分に発車、(仮称)連坊駅予定地の一高前バス停は乗降が無く8時12分に通過、この辺りから渋滞が始まってきました。
連坊一丁目は8時14分に発車、この辺りで一番乗客が多くなり満員に近い状態になりましたが、立っている人がきゅうくつなほどではありません。
五橋三丁目バス停は8時18分に発車、五橋三丁目バス停からは降車する人が増えてきました。
五橋駅前交差点を右折し都心の南北幹線道路である愛宕上杉通へ入って行きます。
五橋バス停は8時22分に発車、東日本鉄道前バス停は8時23分に発車、オフィス街の五橋、東日本鉄道前では多くの人が降車し、立っている人がいない状態で仙台駅前まで行きます。中央1丁目交差点を左折し青葉通の仙台駅前バス停に8時25分に到着しました。多くの人が降車しますがこの先に行く人、また仙台駅前から乗車する人も多くいます。
そしてこのバスは仙台駅前バス停を8時26分に発車して行きました。
霞の目営業所前から仙台駅前までの乗車時間は32分、運賃は290円でした。

撮影の帰りにも、大和町一丁目から仙台駅前まで路線バスに乗りました。
大和町一丁目バス停、時刻表で15時3分発のバスは自分の時計で15時5分に発車しました。薬師堂聖和学園前は15時6分、一高前は15時11分、連坊一丁目は15時13分、五橋三丁目は15時15分、五橋は15時17分、東日本鉄道前は15時20分に発車、仙台駅前には15時24分に到着、15時25分に発車して行きました。
大和町一丁目から仙台駅前までの乗車時間は19分、大和町一丁目バス停の発車予定時刻から仙台駅前バス停に到着するまでの時間は21分、運賃は220円でした。

(仮称)薬師堂駅予定地に近い大和町一丁目バス停から仙台駅前バス停まで、路線バスの実際の乗車時間は、朝は20分、午後は19分でした。朝と午後では乗車時間がほとんど変わりません。

渋滞する区間である一高前バス停から仙台駅前バス停までの、バス停を発車した時から次のバス停を発車するまでの所要時間を見てみます。( )括弧内は午後の所要時間、括弧の無いほうは朝の所要時間です。

一高前〜2分(2分)〜連坊一丁目〜4分(2分)〜五橋三丁目〜4分(2分)〜五橋〜1分(3分)〜東日本鉄道前〜2分(4分)〜仙台駅前

朝と午後のバス停間の所要時間を比べてみると、朝の路線バスは連坊小路の連坊一丁目バス停付近から愛宕上杉通りに曲がる五橋駅前交差点までの渋滞が、午後の路線バスは五橋から仙台駅前までの愛宕上杉通の渋滞が所要時間に影響していることがわかります。
都心の愛宕上杉通は常に渋滞していて路線バスの所要時間が延びる原因になっていますが、朝の通勤時間帯の7時から9時までは仙台駅前までの北行きがバス専用レーンになっていて、愛宕上杉通の区間に関しては午後よりも朝の方が通過所要時間が短くなっています。

上の数字、一高前バス停から仙台駅前バス停までのバス停間の所要時間を、仮に朝と午後のバス停間の所要時間の短いほうを足してみると、所要時間は8分短くなります。
厳密には、乗降に掛かる時間の違いや分単位で計算していますので秒単位の誤差はありますが、以外なほど所要時間を短縮出来る可能性があることがわかります。

実際に所要時間を8分短縮するためには、愛宕上杉通のバス専用レーンを朝だけではなく日中から夜まで半日以上確保することが必要ですし、連坊小路の通りは片側1車線になっていますが、現在拡幅工事が進められていて今後一車線は増やせるようになりますので、その分を恒久的バス専用レーンとして確保する必要があります。
バス専用レーンの区間を長く確保することにより、所要時間の短縮だけではなく地下鉄の特徴である正確な所要時間に近くなり、路線バスが時間が読める公共交通に変わる事になります。
2つの通りにバス専用レーンをつくることで8分という所要時間短縮に近づけることが出来ますが、そのほかにも乗降時間を短縮するためにノンステップまたはワンステップバスの導入、運賃支払い時間の短縮のために運転手の現金取り扱いの廃止、それに代わるICカードの導入が考えられます。
ICカードの導入は乗降時間短縮だけではなく、降りる直前に運賃計算をし支払い金額をカードや現金で用意するという形から、ICカードの残金が少なくなったら事前に補充しておくというように、細かい金額を降車時までに用意するという手間がなくなります。

「(仮称)薬師堂駅予定地のある木ノ下地区」

(仮称)薬師堂駅予定地に近い大和町一丁目バス停から仙台駅前バス停まで、朝の実際のバス乗車時間は20分、その数字にバス停の定刻発車時刻と実際の発車時刻との差、仮に午後乗車時の差2分を加えると所要時間は22分になります。また、実際の所要時間から路線バスの走行環境改善で短縮できる可能性のある8分を引くと所要時間は14分になります。運賃は220円です。

地下鉄の乗車時間は、(仮称)薬師堂駅から仙台駅まで距離は約3.1キロメートルといわれていますので乗車時間は6分程度になると思われます。
乗車時間が6分、地上と地下プラットホームの上り下りが仙台駅で約4分(*2)、(仮称)薬師堂駅で2分と仮定すると所要時間は12分になります。
運賃は、想定される運賃が変わる可能性があること(*3)、路線バスの運賃も地下鉄開通時には上がっている可能性がありますので現在の運賃で比較することにします。現在の運賃水準では2区、240円になります(*4)

(仮称)薬師堂駅予定地付近から仙台駅前まで、現在の路線バスと地下鉄東西線のラッシュ時の所要時間を比較すると、地下鉄は半分ほどの所要時間で仙台駅前まで行けることがわかります。
しかし、バス専用レーンの確保などによる路線バスの走行環境改善によって、地下鉄と路線バスの所要時間は大きく違わなくなります。
また、木ノ下のバス通りの(仮称)薬師堂駅と(仮称)連坊駅の間、薬師堂聖和学園前バス停付近などから仙台駅前まで行く場合には、走行環境を改善した路線バスと比べると地下鉄を利用するほうが所要時間は長くなることになります。

仙台市の資料「東西線沿線まちづくり駅別行政素案」(*5)には、各駅予定地周辺のまちづくりの方向性が書かれています。
その中の「薬師堂駅・まちづくり構想図」(*6)には、(仮称)薬師堂駅予定地の北西側のグラウンドに斜線が描かれ「土地の有効活用」と書いてあります。さらにグラウンドと木ノ下のバス通り(都市計画道路狐小路尼寺線)沿いの住宅、商店が建ち並ぶ場所には大きな点線の丸が描かれ「地域生活拠点の整備誘導」、詳細として「地域商業機能・生活サービス機能の誘導」、「交通結節施設の整備」ということが書かれています。

現在では、JR研修センター跡に聖和学園高等学校の新キャンパスが完成し、「土地の有効活用」、「地域生活拠点の整備誘導」と書かれた(仮称)薬師堂駅予定地の北西側のグラウンドは、聖和学園高等学校の新しいグラウンドとして利用されています。
「土地の有効活用」と書かれたグラウンドを聖和学園高等学校が利用している今、「地域生活拠点の整備誘導」の出来る場所は、木ノ下のバス通り(都市計画道路狐小路尼寺線)沿いの住宅、商店が建ち並ぶ場所だけとなっています。
木ノ下のバス通り(都市計画道路狐小路尼寺線)と聖和学園高等学校のグラウンドに挟まれた土地は、家1軒から2軒分の奥行きしかありません。
この奥行きのない狭い土地に、「地域商業機能・生活サービス機能の誘導」、「交通結節施設の整備」をすることになりますが、「交通結節施設の整備」、バスターミナル、タクシー乗り場、自家用車乗降スペース、駐輪場の設置スペースとして問題となる面積ではないでしょうが、「地域生活拠点の整備誘導」という構想、考え方を実現するには余裕が無いように感じます。

「(仮称)薬師堂駅の位置は、現在の予定地が一番良いのでしょうか。」

(仮称)薬師堂駅を設置する場所の条件は、若林区役所に出来るだけ近いこと、(仮称)卸町駅や(仮称)連坊駅とは一定距離間隔を確保すること、「地域生活拠点の整備誘導」ができる開発余地があること。このような条件で現在の場所になったものと思われます。

「地域生活拠点の整備誘導」をするというような主要な駅の立地としては、主要な都市計画道路が交差する所であることが必要と考えます。バス路線の設定上でも、自家用車での送迎でも、商業地としても、中心・拠点として発展させるためには広域から人が集まる場所であることが必要であるからです。

提案として、(仮称)薬師堂駅の位置を主要な都市計画道路の交差点に移すことを考えます。

駅の位置は大和町2丁目交差点の西側に、「地域商業機能・生活サービス機能」、「交通結節施設」は大和町2丁目交差点の南西側につくります。
大和町2丁目交差点の南西側に「地域商業機能・生活サービス機能」、「交通結節施設」をつくることの意味は、宮城の萩大通りの南側区間を中心とした(仮称)薬師堂駅発着バス路線の、駅へ到着する路線バスが渋滞や信号に影響されずにスムーズに到着できるということ、宮城の萩大通りの南側区間や大和町からみて仙台駅・都心側に地下鉄駅があることになり、向かっている方向に駅があることで自然に駅に向かう形になります。

大和町2丁目交差点の周辺は、南側には宮城の萩大通沿いにロードサイド型店舗が並び、東側の都市計画道路狐小路尼寺線・大和町のバス通り沿いは「ロードサイド型近隣商店街」といった感じの商業地区になっています。
現在の(仮称)薬師堂駅予定地付近は、都市計画道路狐小路尼寺線沿いにはパラパラとお店が並び、そのほかは一戸建ての家が並ぶ住宅街になっています。
(仮称)薬師堂駅ができて都市計画道路狐小路尼寺線の拡幅工事が終われば、一定程度の商業集積が進むと思われますが、駅予定地の周囲は一戸建ての家が建ち並ぶ住宅街ですので、再開発や都市計画道路の新設などが行われない限り将来的な発展の余地はとても限られてしまいます。
大和町2丁目交差点の側に駅を設置すれば、宮城の萩大通り、都市計画道路狐小路尼寺線・大和町のバス通り沿いの商業地と繋がって、将来の地域拠点としての発展を望むことが出来るようになります。

大和町2丁目交差点付近に駅を設置するには、現在の地下鉄予定ルートである宮城の萩大通りを経由して(仮称)卸町駅に至る経路では、交差点付近は地下鉄線路のカーブの途中になり駅を設置することが出来ませんので、都市計画道路狐小路尼寺線からは志波町、大和町4丁目境付近の民有地地下を通って(仮称)卸町駅に至る経路にするなど、経路の変更が必要になります。

「若林区役所周辺地区の公共交通の利便性」

若林区役所前から仙台駅前まで、現在の路線バスの運賃は180円。
若林区役所前から仙台駅前までのバスの所要時間は今回計測していませんが、実際には大和町一丁目から仙台駅前までと同程度の所要時間になると思われます。
地下鉄の運賃は、(仮称)薬師堂駅から仙台駅まで現在の運賃水準で2区、240円。
地下鉄利用の所要時間は、県道荒井荒町線・若林区役所入口から(仮称)薬師堂駅予定地の木の下橋まで地図上計測で約800メートル、不動産広告の基準である1分80メートルで計算すると徒歩10分になります。(仮称)薬師堂駅から仙台駅まで地下鉄の乗車時間は6分程度、地上と地下プラットホームの上り下りが(仮称)薬師堂駅で2分と仮定、仙台駅で約4分(*2)とすると所要時間は22分になります。

若林区役所周辺地区から仙台駅前まで行く場合、どれだけの人が地下鉄を利用するでしょうか。
若林区役所前からの仙台駅前方面への直通路線バスが残れば、(仮称)薬師堂駅からの地下鉄利用、すぐそばのバス停からの路線バス利用と選択することが出来て便利になります。
しかし、(仮称)薬師堂駅予定地から比較的遠い区役所の南側、西側の街からは地下鉄利用よりも路線バス利用の方が便利ですので、地下鉄の開通により郊外から仙台駅前方面への直通路線バスの便数が減らされれば公共交通は不便になることになります。

交通渋滞の解消、自家用車利用の減少、公共交通の速達化、定時性の確保のためなら地下鉄は造らない方がよいと考えます。
地下鉄が開通することによって都心直通バス路線、平行バス路線が大幅に削減され、自宅近くのバス停を使っていた人が少し遠い地下鉄駅まで歩くことになり、歩く距離が増えて結果的に所要時間がながくなる場所も多くなります。
また、地下鉄開通にあわせた路線バスの削減による公共交通の利便性の低下や都市計画道路の整備による自動車の走行環境改善により、自家用車利用が増加することが考えられます。

地下鉄は郊外と都心を結ぶものとしては便利です。郊外住宅地から都心へ向かう場合、直通路線バスで都心へ行く場合には停留所が多くなり乗降時間が掛かることやバス路線に対して渋滞する区間が長くなってしまいますので、地下鉄駅が迂回する場所にあったとしても地下鉄の乗車区間が長ければ地下鉄・バス乗り継ぎのほうが所要時間が確実に短くなります。
地下鉄の乗車区間が短い場合には、乗車時間が極端に短くなっても地下鉄駅の地上と地下プラットホームの上り下りの時間や地下鉄・バスの乗り継ぎ、乗り換えの時間が大きな比率を占めることになりますので、地下鉄による時間短縮効果は大きく減少してしまうことになります。

都心に近い若林区は、路線バスを改善することによって公共交通の利便性や街の魅力を向上させることが出来ます。
たとえば、路線バスは幹線・基幹系統とコミュニティ系統を強化します。幹線・基幹系統は途中停車する停留所を絞り込んだ快速バスを導入し、若林区役所前などの主要停留所には駐輪場、自家用車駐車場、送迎車用スペース、タクシー乗り場などの「交通結節施設の整備」をします。
コミュニティ系統・コミュニティバスは、ザ・モール仙台長町から地下鉄河原町駅、若林区内の狭い住宅街の道を通り、商店街、区役所、高校、病院を経由して仙台駅東口に至るというような、速達性はないけれども目的地としての要点を押えたバス路線とします。

「若林区役所周辺地区の若林区の中心地区になる可能性」

仙台市の資料「東西線沿線まちづくり駅別行政素案」の「薬師堂駅・まちづくり構想」(*6)では、(仮称)薬師堂駅予定地周辺は地域生活拠点、若林区役所周辺地区は生活拠点、(仮称)薬師堂駅予定地周辺と若林区役所周辺地区を一体とした地区は若林区の中心地区として考えられています。

木の下橋付近に設置される(仮称)薬師堂駅からは、若林区役所周辺地区と連絡する道路として南北方向の都市計画道路が3路線(そのうちの1路線は、歩行者道の都市計画道路七郷掘線)、東西方向の都市計画道路が2路線整備されます。
しかし、都市計画道路で囲まれた若林区の中心地区とされる場所の大半は、「安全・安心で快適な住宅地の環境形成を整備誘導」として今までと変わらない住宅街として考えられていて、「歴史的資源・区役所周辺・交通利便性を活かした若林区の中心地区の形成」としている構想の主旨とは印象が違うものとなっています。

若林区の中心地区とはどのようなものなのかという問題はありますが、若林区役所周辺地区や(仮称)薬師堂駅予定地付近に拠点をつくっても、人や車が集まってくる道路や街の構造がありませんので、大きな拠点になることはなさそうです。

仙台市の資料「東西線沿線まちづくり駅別行政素案」の「薬師堂駅・まちづくり構想図」(*6)では、若林区役所周辺地区の一番の幹線道路である県道荒井荒町線の位置付けが明確ではありません。構想図上では都市計画道路南小泉茂庭線に中心が移っていて、地元の人は地下鉄東西線よりも都市計画道路との関係のほうが気になるのではないでしょうか。

「若林区と地下鉄」

都市計画道路南材木町古城線と宮城の萩大通り・都市計画道路川内南小泉線の交差点からは、都市計画道路南材木町古城線が全通した時点で、地下鉄南北線の河原町駅と木の下橋付近に設置される地下鉄東西線の(仮称)薬師堂駅が地図上計測で約1.7キロメートルとほぼ同じ距離になります(都市計画道路経由の場合。住宅街の中の道を経由すると(仮称)薬師堂駅の方が距離は短くなります)。
仙台駅まで行く場合、地下鉄東西線の(仮称)薬師堂駅からは乗車時間6分程、運賃は現在の運賃水準で2区240円、地下鉄南北線の河原町駅からは乗車時間5分、運賃は1区200円となります。
地下鉄駅まで路線バスで行く場合には、地下鉄駅までの路線バスの運賃、地下鉄・バス乗り継ぎ指定駅となる予定の(仮称)薬師堂駅と現在乗り継ぎ指定駅ではない河原町駅での地下鉄・バス乗り継ぎ割引の有無が影響しますので、運賃の違いはあまりないかもしれません。
しかし、実際にどちらの地下鉄路線、駅を利用するかは、地下鉄南北線と東西線の利便性、河原町駅と(仮称)薬師堂駅の拠点性を比較することになります。

若林区の西端には国道4号線や旧街道(奥州街道)が通り、街道付近には河原町、荒町、連坊、五橋などの街があります。
国道4号線や愛宕上杉通の下には地下鉄南北線が通っていて、若林区内には河原町、愛宕橋、五橋の3駅があります。

地下鉄南北線は若林区の中では西の端を通っていて、地下鉄南北線を(仮称)薬師堂駅予定地付近、若林区役所周辺地区等から仙台駅まで行く公共交通として考えた場合、一番近い地下鉄駅である五橋駅まで徒歩で行くには遠すぎますし、自転車で行くには仙台駅まで直接自転車で行ったほうが早い、路線バスから地下鉄に乗り継ぐには仙台駅へ直接路線バスで行くほうが早いということになります。

若林区の南側、県道井土長町線方面から路線バスで仙台駅に行く場合、路線バスは国道4号線、愛宕上杉通を通って行きますが、途中で地下鉄に乗り継ぐとすると河原町駅が一番近い駅となります。
現在は地下鉄・バス乗り継ぎ指定駅ではなく、地下鉄・バスを乗り継ぐ場合、県道井土長町線方面へ行く場合には地下鉄河原町の出入り口前にある舟丁バス停、都心・仙台駅へ行く場合には河原町駅出入り口から離れた場所にある河原町バス停を利用することになります。
河原町駅から仙台駅までは3駅しかなく、地下鉄・バス乗り継ぎによる時間短縮効果が大きく得られるほどの距離はありませんが、乗り継ぎ指定駅として地下鉄で入口前にバスベイなどの交通結節施設を整備し、路線バスでの都心直通と地下鉄乗り継ぎを選択できるようにすることで、利便性に奥行きが出てきます。

地下鉄河原町駅周辺は、国道4号線や旧街道(奥州街道)が通り、県道井土長町線が合流している、将来的には都市計画道路宮沢根白石線、都市計画道路南材木町古城線、都市計画道路南小泉茂庭線(秋保通−若林区役所南側の道)が交差する場所になります。
地下鉄河原町駅周辺地区は、長町地区や都心に挟まれていて副都心的な発展までは見込めないと思いますが、主要都市計画道路が交差する場所として、仙台の主要な地点を結ぶ地下鉄南北線の河原町駅の周辺地区を若林区の拠点の一つとして整備することにより、若林区の活性化の拠点とすることが出来ます。

地下鉄愛宕橋駅は、都心に近い駅としてはあまり活用されていない状態になっています。計画時には荒町、八木山・向山地区や土樋の東北学院大学側からの利用が見込まれていたようですが、実際には五橋駅が都心側にあり、ほとんどの街から見て郊外側となってしまう愛宕橋駅は、五橋駅の存在に隠れてしまっています。
街としては、国道4号線から少し入れば静かな一戸建てが多い住宅街になっていてとても良いですが、仙台の主要な地点を結ぶ地下鉄南北線の17駅の中の1駅ですから、地下鉄駅付近の土地の高度利用化することが必要に感じます。

地下鉄五橋駅は、青葉区と若林区にまたがる五橋のオフィス・マンション街、連坊や荒町の商店・住宅街、東北学院大学や東北大学片平キャンパス、仙台市立病院、仙台市福祉プラザの最寄駅として、都心の地下鉄駅となっています。

地下鉄五橋駅に近いJT仙台ビルは建物が取り壊され、現在は空き地になっています。その空き地では現在、木下サーカスが行われています。
若林区の中心地区として(仮称)薬師堂駅予定地、若林区役所周辺地区が考えられていますが、仮に五橋のJT仙台ビルの跡地に若林区役所を移転したらどうなるでしょう。

JT仙台ビルの跡地がある新寺通と愛宕上杉通の交差点、五橋1丁目交差点は若林区内の各方面から来る路線バスが仙台駅前へ向かうときに必ず通る交差点です。
若林区内の郊外と都心を結ぶ幹線道路は、新寺通、連坊小路、荒町、国道4号線・県道井土長町線とそれぞれに平行しながら東西に延びていて、独立した形のまま都心の五橋へと繋がっています。
若林区内で若林区に住む人が一番集まりやすい場所という意味では、五橋が一番適切な場所ということになります。
JT仙台ビルの跡地は若林区の北西端付近にあり、区役所は区の中央に無ければならないと考えれば区役所立地として適切な場所ではありませんが、区民が一番集まりやすい場所ということから考えればこれ以上の場所はありません。
五橋に若林区役所があると考えると、若林区のイメージの中心が変わり、街づくりの方向性が大きく変わってくるように思えます。

公共交通の利便性向上、街づくりの理念の実現、街の活性化、開発の実現。
国道4号線や旧街道(奥州街道)沿いの街、五橋、若林区役所周辺、大和町、卸町。飛びぬけて中心性のある街はありませんが、隣接した街、隣接した区と一体として発展してきた街は多くあります。
若林区という区割り、区役所の位置、地下鉄東西線の建設にこだわらず街づくりを考えれば、各街の発展の可能性は大きくなります。

              2003年8月5日 三河恵介
 

「資料」

(*1) 仙台市HP - 地下鉄東西線なんでもサイト - みんなの質問箱 - 公開質問・監査請求に対する回答 - - 資料11「仙台東部地域の主なバス路線の系統(現況・計画案)」

(*2) 仙台市HP - 地下鉄東西線なんでもサイト - みんなの質問箱 - 公開質問・監査請求に対する回答 - - 別紙3「東西線ホームからの所要時間」

(*3) 仙台市HP - 地下鉄東西線なんでもサイト - みんなの質問箱 - 公開質問・監査請求に対する回答 - 公開質問状回答 第6 初乗り運賃について

(*4) 仙台市HP - 地下鉄東西線なんでもサイト - みんなの質問箱 - 公開質問・監査請求に対する回答 - 公開質問状回答 第6 初乗り運賃について - 資料4:「東西線・南北線運賃表(普通運賃)」
仙台市交通局HP - 地下鉄情報 料金と駅間所要時間

(*5) 仙台市HP - 地下鉄東西線なんでもサイト - 東西線で街が変わる - 東西線沿線まちづくり駅別行政素案

(*6) 仙台市HP - 地下鉄東西線なんでもサイト - 東西線で街が変わる - 東西線沿線まちづくり駅別行政素案 - 薬師堂駅・まちづくり構想(pdf)

2003年6月19日 仙台・地下鉄東西線計画について、地下鉄東西線計画の概要、新旧資料の比較

 

木の下橋・北西側

木の下橋・北西側
仙台市若林区木ノ下3丁目16番地

 
若林区
聖和学園高校・新キャンパス 薬師堂橋(宮城野陸橋) 高砂掘沿いの道
(仮称)薬師堂駅予定地・
木の下橋
木ノ下のバス通り、
従前の聖和学園校舎
薬師堂仁王門、
従前の聖和学園校舎
薬師堂西側の道 薬師堂・聖和学園南側、
椌木通
西新丁の通り
区役所連絡都計道路、
「三角公園」跡
保春院前丁・県道荒井荒町線 若林区役所
 

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